【検認とは?】 封がしたあったら開けては絶対ダメ!

亡くなった親や親族の遺品を整理していたら、鍵付きの引き出しや仏壇から「遺言書」が出てきた――。

そんなとき、焦ってすぐに開封してしまうのは禁物です。

自筆で書かれた遺言書を発見した場合は、まず家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きを行う必要があります。

今回は「検認って一体なにをするの?」「放置したり勝手に開けたりするとどうなるの?」という疑問について、分かりやすく解説します。

1. 遺言書の「検認」とは?

検認とは、家庭裁判所で裁判官と相立会人のもと「遺言書の存在と、その時点での状態(日付・署名・本文の記載など)を明確に記録する」ための証拠保全手続きです。

主な目的は、遺言書の偽造・変造・破棄などを防ぐことにあります。

⚠️ よくある勘違い:「検認=遺言が有効になる」ではない!

検認は「遺言書が確かにこの内容で存在しています」という現状を記録するだけの手続きです。そのため、遺言書が法律的に有効かどうか(本人の意思で書かれたか、認知症などで判断能力があったかなど)を判断・保証するものではありません。

2. 検認をしないとどうなる?(勝手に開けるのはNG!)

自宅で見つかった封印のある遺言書(封筒が閉じられ、印鑑が押されているもの)は、家庭裁判所で相続人などの立ち会いのもとで開封しなければならないと法律(民法第1004条)で定められています。

もし勝手に開封したり、検認を受けずに放置したりした場合、次のようなデメリットやペナルティが発生します。

  • 5万円以下の過料(過料の罰則)が科される可能性がある
  • 不動産の名義変更(登記事務)や、銀行口座の解約・名義変更などの相続手続きで遺言書として受領してもらえない

※うっかり勝手に開けてしまっても遺言書自体がすぐ無効になるわけではありませんが、他の相続人から「改ざんしたのではないか」と疑われ、トラブルの原因になります。

3. 検認が必要な遺言書・不要な遺言書

実は、すべての遺言書で検認が必要なわけではありません。

遺言書の種類検認の必要性理由
自筆証書遺言(自宅や金庫で保管)必要偽造や変造のリスクがあるため
自筆証書遺言(法務局の保管制度を利用) オススメ!不要法務局で安全に保管されているため
公正証書遺言不要公証役場で原本が保管されているため

※秘密証書遺言(内容は秘密で存在のみ証明された遺言)の場合も検認が必要です。

4. 検認手続きの大まかな手順

検認を行う場合、以下のようなステップで進みます。

  1. 申立て(書類の準備と提出)遺言書の保管者または発見した相続人が、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。
    • 必要なもの: 申立書、亡くなった方の戸籍全般(出生から死亡まで)、相続人全員の戸籍謄本など
  2. 期日の通知申立てから1ヶ月〜1.5ヶ月ほどで、裁判所から相続人全員へ「〇月〇日に検認を行います」という呼び出し状(通知)が届きます。
  3. 検認期日(当日)申立人が遺言書(未開封のまま)を持参し、裁判所で開封・確認が行われます。※ほかの相続人は出席するかどうか自由です(欠席しても手続きは進行します)。
  4. 「検認済証明書」の発行検認完了後、遺言書に「検認済証明書」を合綴(とじ込み)してもらう申請を行います。この証明書がついて初めて、銀行手続きや不動産の名義変更で使えるようになります。

まとめ:遺言書を見つけたら、まずは手をつ触れずに相談を

遺言書が出てくると驚いて中身を確認したくなりますが、まずは「開封せず、保管する」ことが最優先です。

戸籍謄本の収集や裁判所への申立て手続きは個人でも可能ですが、関係する相続人が多い場合や書類に不備がある場合は時間がかかることもあります。

不安な点がある場合や手続きをスムーズに進めたい場合は、行政書士などの専門家に相談してみるのもおすすめです。

不安な点がある場合や手続きをスムーズに進めたい場合は、行政書士などの専門家に相談してみるのもおすすめです。