法定相続情報一覧図があれば戸籍謄本はもういらない?

相続

「相続手続きには、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要」と聞いて、その量の多さにびっくりした方も多いのではないでしょうか。

そんな面倒な戸籍の束を1枚の紙にまとめられる便利な制度が「法定相続情報一覧図」です。

「これさえあれば、もう重たい戸籍の束を持ち歩かなくていいの?」

「本当に戸籍謄本はまったく必要なくなる?」

今回は、そんな疑問に分かりやすくお答えします!

結論:完全に不要になるわけではない!「最初だけ」は必要

結論から言うと、「完全に戸籍がいらなくなるわけではなく、法務局で最初の申請をするときだけは、すべての戸籍謄本が必要」となります。

この制度は、戸籍集めを免除してくれるものではありません。

「集めた大量の戸籍の束を、法務局が『法定相続情報一覧図』という1枚の公的な証明書にギュッと集約してくれる」という仕組みだからです。

イメージとしては、以下のような流れになります。

  1. 【スタート】 頑張ってすべての戸籍謄本を集める
  2. 【法務局へ】 戸籍の束を提出して「一覧図」を作ってもらう(※集めた戸籍は返却されます)
  3. 【その後の手続き】 銀行や不動産の登記では、戸籍の代わりに「一覧図」を出すだけでOK!

「法定相続情報一覧図」を使う3つのメリット

最初の1回こそ戸籍を集める苦労はありますが、この制度を使うメリットは非常に大きいです。

①複数の銀行で同時に手続きができる

通常、戸籍の束は1セットしか用意しないことが多いため、A銀行の手続きが終わって戸籍が戻ってくるまで、B銀行の手続きに進めないという「タイムロス」が発生します。

しかし、一覧図の写しは法務局で何枚でも無料で発行してもらえるため、複数の銀行へ同時に手続きを出すことができます。

金融機関の窓口での待ち時間が減る

銀行の窓口に戸籍の束を持っていくと、行員さんが家系図を確認したりコピーを取ったりするのに1時間以上待たされることもザラにあります。一覧図なら1枚で関係性が一目でわかるため、窓口での確認時間が大幅に短縮されます。

紛失や持ち歩きのストレスがない

大切な戸籍の束を何度も持ち歩くのは、紛失や汚損のリスクがあります。一覧図なら万が一無くしても、法務局で再発行(※5年間)が可能です。

一覧図があっても「例外的に」戸籍が必要になるケース

とても便利な一覧図ですが、取得した後でも以下のようなケースでは別途戸籍(またはそのコピー)が必要になることがあります。

  • 提出先が「有効期限」を設定している場合一覧図自体に期限はありませんが、銀行や証券会社によっては「発行から3ヶ月以内(または6ヶ月以内)のもの」と独自に指定している場合があります。
  • 遺産分割協議を行うとき親族間で「誰がどの財産を分けるか」を話し合って書類(遺産分割協議書)を作る際、お互いの確認のために戸籍のコピーが必要になることがあります。
  • 数次相続など、特殊で複雑な相続の場合相続が重なっているなど非常に複雑なケースでは、一覧図の情報だけでは足りず、窓口で臨機応変に古い戸籍の提示を求められることが稀にあります。

まとめ:効率よく相続手続きを進めるための必須アイテム

法定相続情報一覧図は、「最初の法務局申請のときだけは戸籍の束が必要だけど、その後の銀行や不動産の手続きは劇的にラクになる」という制度です。

特に、「亡くなった方の口座が複数の銀行にある」「不動産の名義変更(相続登記)もある」という場合は、作っておいて絶対に損はありません。

法務局でもらえる「一覧図の写し」は無料ですので、手続きをする予定の窓口の数(銀行の数+α)に合わせて、少し多めに用意しておくのがスムーズに進めるコツですよ!

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